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ケリーの公式

勝率60%で損益率が1.0のトレード手法がある。この手法で資金を複利運用するにあたって、資金を最大限に増やすには1回のトレードリスクを何%にすればよいか?

 

という問題があったとします。
毎回資金を100%賭けるとすぐに破産してしまうし、1%くらいだと「最大限に増やす」ことは難しそう・・・。

 

この問題を解くには、ジョン・ケリーという数学者の考案したケリーの公式を使います。
この公式は以下の通りです。

 

F=[(R+1)P-1]/R
ただし、
P=勝率
R=損益率(勝ちトレードでの平均利益/負けトレードでの平均損失)

 

今回の場合は、勝率60%、損益率1.0ですので

 

F=[(1+1)×0.6-1]÷1=0.2

 

F=0.2ということで、資金の20%を1回のトレードのリスクとすることで資金が最大限に増やせるという結果になります。

 

逆にいえば、20%よりも大きい割合で賭けていっても、小さい割合で賭けていっても資金の伸びは小さくなることになります。

 

このことにつきましては、実際にサイコロを転がしてシミュレーションしています。
ブログのこちらこちらを参考にしてください。

 

ケリーの公式を使って資金管理するべきか?

ケリーの公式を使って資金管理・ポジションサイジングをしていくと、資金の増え方が最大になりますが、実際にこのやり方で運用していいのでしょうか?

 

これはノーだと言えます。その理由は3つあります。

 

1.精神的な問題

 

ケリーの公式は、信じる度合いを賭ける公式で、この公式を用いる場合はトレード手法の精度が良いほど大きな金額を賭けていくやり方になります。

 

上の例で出した勝率60%損益率1.0というそれほど大したことのない優位性であっても1回のトレードで20%のリスクを取らなくてはいけません。

 

1回のトレードで20%のリスクというのは大きすぎです。
トレード毎に資金の20%が上限に変動したら精神的に大きな負担となって、ルールを守る ことも難しくなるでしょう。

 

 

2.相場の問題

 

ケリーの公式を使う賭けが、サイコロの出た目で勝敗が決まるようなゲームだったら問題ありませんが、相場の場合は話が変わってきます。
それは、相場は変化していくものだからです。

 

相場が変化すると、それまでの手法の勝率や損益率が違ってきます。
中には全く使い物にならなくなる手法もあります。

 

こうなってしまった場合、調子の良かった時の勝率と損益率から求めたリスクで取引しても、実はリスクの取りすぎになってしまうことになります。

 

トレードの検証や結果で得られた確率や損益率はあくまで推計であって、今後その数字は変動する可能性も十分あるということです。

 

 

3.破産の確率の問題

 

先ほどの例に出した通り、勝率60%、損益率1.0の手法では20%のトレードリスクで運用していくのが最大に資金が増える計算になりましたが、この条件で破産の確率を求めると、約13%になります。

 

つまり、複利で資金を最大に増やせるように取引する場合は、ある程度の破産のリスクも覚悟しておかなくてはいけないことになります。
果敢にリスクを取って資金の伸びを最大限にするよりも、破産の確率が0になるまでリスクを下げて取引する方が賢明だと個人的には思っています。

 

 

以上から、ケリーの公式をそのまま使うのは危険だと言えます。

 

あくまで、最大でどれだけのリスクを取れるのかを把握するためだけに使ったほうがいいと思います。

 

稀に数ヶ月で資金を何十倍にするトレーダーがいますが、その人たちの多くがその後は大きな損失を被って退場を余儀なくされます。

 

彼らは多くのリスクを取りすぎたために、調子の良い時は等比級数的に資金を伸ばせる一方で、調子の悪い時は同じスピードで一気に資金を減らしていき、再起不能になるのです。

 

一気に駆け上って、一気に突き落とされる・・・・。 精神的なダメージは相当なものでしょう。

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